企業のメンタルヘルス物語1

5年前一人の男が、私のところに配属されました。なんでもある組織に出向していたが、そこでうつ病を発症したらしく、耐えられなく私どもの会社に戻ってきました。

 

話によると、大変なパワーハラスメントにあったようで、本人は耐えられなく、会社をやめるまでになっていたようでした。

 

ストレス耐性が低いと些細なことでも、ストレス反応が起こりメンタルヘルス不調が進んでいきます。ましてや、ストレス耐性が高い人でも、人格などを否定された場合には、メンタルヘルス不調に陥ってしまいます。

 

その社員は、会社のサポートにより私どもの会社に戻ってきたわけですが、

経営者の対応が早く、うまくいったケースでした。

 

その出向先で、サポートがなければ、やめるかまたはそのまま仕事を続けていったら最悪のケースになったかもしれません。

 

そんな男が私共のところに来て、気も使いましたし、どうして対処したらいいのかよくわかりませんでした。しかし、メンタルヘルス不調を克服して職場復帰を果たしたのですから、彼の回復の邪魔をしないように寄り添うことだけを考えていました。

 

回復には、サポートすることと強要をせずに裁量権を与えることがよかったのではなかったかと思っています。もちろん、彼の努力も見事でした。

 

そんな彼を見てきて思ったことは、メンタルヘルス不調を少しでもなくすためには、第一次予防が重要であると思い、メンタルヘルス研修をすることにより、ストレスに気づき、どう対処をしていったらいいのかをお教えすることにより立ち直る人もいるのではないかと考えました。

 

そして、大阪商工会議所主催のメンタルヘルスマネジメント検定を受け、退職後は、メンタルヘルス研修を主体にした社労士として、世の中のお役に少しでもなれるようにと開業をしました。

(つづく)