企業のメンタルヘルス物語4

“メンタルヘルス不調者の見極めは、上司や同僚が多い!”

職場で、メンタルヘルス不調者を発見するためには、精神医学的素養があったほうがいいに決まっています。しかし、実際人事労務管理スタッフや管理監督者が精神医学を勉強することは困難です。

それにもかかわらず、精神医学的素養がなくても、メンタルヘルス不調の早期発見は、できます。

実際に、職場のメンタルヘルス相談が多い経路は、精神医学的素養がない管理監督者や同僚の紹介が一番です。

管理監督者が、“この社員はおかしい“といって、精神科医を勧めるケースのほとんどは、専門家がみて病気なんです。

身体疾患の診断は、血液検査やレントゲン検査などで行いますが、メンタルヘルス不調は、言動や態度の変化に注目していれば、専門家でなくても“おかしい”と気づく場合が多いのです。

精神医学の素養のない管理監督者や人事労務管理スタッフは、病名をきめるのではなく、労働者が何かのメンタルヘルス不調になっているかに気づくことでいいのです。

以前と違う様子を時系列に気づいていくことが大切です。よく話をしていた人が、全然しゃべらなくなってしまったり、なんとなく元気がなくなったりしたら、“おかしい”と思うでしょう。

そんな日常的な様子をいつもはたで見ていて感じたら、メンタルヘルス不調ではないかと疑うことです。

そして、事業場内産業保健スタッフにつないで、早期発見に結び付けることが重要です。