企業のメンタルヘルス物語23

“統合失調症が疑われる言動とは?”

皆さんは、統合失調症という病名を聞いたことがありますか? あまりなじみのない病名ですので、知らない方が多いかと思います。

かくいう私も、メンタルヘルスの勉強を始める前は、全然知りませんでした。精神分裂病という名は知っていたのですが、病名が2002年に変更になって統合失調症になったということです。

この病気は、生涯有病率0.55%で、10代前半から30代前半の若者に発症しやすいです。

症状としては、

①妄想
②幻覚
③解体した会話(頻繁な脱線または減裂)
④ひどく解体した、または緊張病性の行動
⑤陰性症状、感情の平板化、思考の貧困化

などです。

治療としては、薬物療法を中心とした治療法が進歩したため、適切に病気の療養ができる環境にあれば、安定した経過を呈する人が多いです。

ただし、支離滅裂な思考など陽性症状には薬物療法が有効ですが、陰性症状の人には、薬物が十分奏功しないことがあります。このため、休職、治療して具合がよくなってきても、職場復帰に対しては、あたたかい目でもって迎え入れて長期的にケアをしていくことが必要です。

このように精神疾患に対しては、時間がたくさんかかる場合が多いので、職場においても理解を示すことが、大切です。

ここでも、メンタルヘルス不調にならないようにする対策は必要です。それには、セルフケアやラインケアなどの教育研修を受講することと、学んだことを自分自身で実行することが第一次予防になります。