企業のメンタルヘルス物語26

“経営戦略としてメンタルヘルスケアを位置づけていますか?”

昨今、企業の業績が上昇して、なんと100兆円を超える内部留保が上場企業で、積みあがっております。これは、いろんな理由があるかと思いますが、外に投資をすることに踏み切れないからなのでしょうか。

それに引き換え、労働者の労災請求や労災認定は、ここ数年右肩上がりで伸びております。そして、それに付随して損害賠償の請求も伸びていて企業のメンタルヘルス対策の遅れが目立っております。

大手広告代理店の事例を見るまでもなく、企業としてきちんと労働者に向き合っていないように思われています。

メンタルヘルス対策は、それだけが単独で動くわけではなく、ちゃんと企業の経営戦略や人事戦略に入れて、計画的にまた継続的に実施していくことが必要です。

トップの表明にはじまり、企業としてのメンタルヘルス体制の確立や、問題点の把握、計画、実行、評価、再計画など一連のP・D・C・Aサイクルを回していかなければなりません。

経営戦略や方針が、きちんと労働者に示されている組織は、労働者のストレス反応が低いという研究結果が報告されています。

逆に言うと、経営戦略や人事戦略、各方針などがきちんと、明確に示されていないと労働者は、不安になり、方向を見失った船みたいになってしまいます。

今後は、メンタルヘルス対策と経営戦略、人事戦略は一体となっていかなければ、経営がうまく回っていかなくなります。

“労働者の健康と満足度は、生産性の向上に直結します。”