経営戦略としての「健康職場づくり」

健康職場づくりとは、「企業が従業員の心身の健康に配慮することによって、経営面においても、大きな成果が期待できる」健康職場づくりです。
経営視点で見ると、「従業員が心身ともに健康」であることと、「従業員の満足感」は、「生産性の向上」と両立し、業績の改善に繋がります。私は、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)で「健康職場づくり」のお手伝いをいたします。

職場環境の改善を行ったり、仕事量を減らすなど労働負荷を軽減したりすれば、コストがかかり生産性も低下すると考えられていました。そのために、従業員の健康問題は、経営上の優先課題にはなりにくい状況でした。

しかし最近では、従業員の健康や満足感と組織の生産性を両立させることは可能であり、むしろ両者には相互作用があり、互いに強化することができるとする考え方が示されるようになりました。(下記図)

これは、米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が提示した考え方で、「健康職場(Healthy Work Organization)」モデルと呼ばれています。

この考え方に従えば、従業員の健康や満足感を維持・向上させることが、組織の生産性向上に寄与することになります。つまり、従業員が心身ともに健康で満足感が高ければ、目標に向かって意欲を高め、もてる能力を最大限に発揮することができます。そして、そのことが組織の生産性向上や高業績につながると期待できるわけです。ここに、企業がメンタルヘルス対策に取り組むことの意義があります。

<図>NIOSHの健康職場モデルNIOSHの健康職場モデル
(引用)米国立労働安全衛生研究所
「産業精神保健」44巻4号 p248-254 1996年