企業のメンタルヘルス物語19

“ラインによるケアとはなんだ?”

仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、60,9%に上っています。この中には、多い順に「職場の人間関係の問題」、ついで「仕事の質」「仕事の量」の問題があります。

このアンケートからわかるように、労働者の心の健康は、物理的な職場環境(作業環境、作業方法、施設、設備など)のみならず、職場の人とのかかわりの問題、仕事の難しさや仕事の多さ少なさということが問題になっております。

ラインいわゆる管理監督者は、日ごろの部下の常態を知ることや部下からの相談に真摯に話を聴くこと、そして、職場環境の改善を図っていくことがラインによるケアということになります。

特に、部下からの積極的な相談に対応することが一番必要になってきます。もちろんそのためには、日ごろ部下とのコミュニケーションを常にとっていくことが重要であります。そして、話しやすい状況を作っていき、部下からの相談があれば、真剣に対応することです。

多くのメンタルヘルス不調者は、上司のきちんとした対応があれば、不調にならなかった人も数多く存在します。管理監督者は、非常に重要な任務を背負わされ、多忙な毎日ですので、なかなか余裕がないのは分かりますが、きちんと対応をしなければなりません。

よく、部下が相談に管理監督者のところに来ても、パソコンを打ちながら話を聞いたり、ひどいのは部下の顔さえ見ないで話している人が見受けられます。

こういう時、もし忙しければ、いつなら話が聞けるのでという明確な返事が大事です。部下が遠慮をしてそれっきりになってしまうこともあります。

こういう些細なことが大きな事件になっていくことがあります。管理監督者は、会社の安全配慮義務の実行者です。些細なことも見逃さないで対応していくことが求められます。

大事な部下をメンタルヘルス不調にさせない為に。