企業のメンタルヘルス物語34

“喪失体験をご存知ですか?”

皆さん、ストレスは職場だけの問題ではありませんね。職場以外でもストレスがかかりメンタルヘルスの不調になることがあります。

特に50代以降の定年前後によく起きるメンタルヘルス不調は、喪失体験が関連していることがあります。

これは、自分にとって大切なものや慣れ親しんだものを失う体験であり、喪失体験と呼ばれています。

たとえば、退職、引っ越し、家族の死、子供の独立、離婚、失恋、体力や能力の衰えといった出来事があります。この喪失体験がきっかけとして発病するメンタルヘルス不調は、うつ病が多いです。

今まで通っていた職場に明日から行かないとなると、職場を失った悲しさや寂しさがこみあげてきてメンタル不調になってしまうことがあります。

また、この時期に怖いのは、熟年離婚です。長い間連れ添ってきた女房がここぞとばかりに三下り半を突き付けて、出て行ってしまう例は、少なくありません。

こんなことがあれば、自分の生きる基盤が揺らぎ、生きていても価値がないと思うようになってうつ病など精神疾患を発症するリスクが高まります。

最悪は、自殺ということも起こりうる事態もあり得ますので、その前から喪失体験を想定して、覚悟を決めておくことが重要です。

いろんなサークルに参加したり、趣味を作るとかして、ひとりぼっちではないという意識を自分に言い聞かせることが大切です。

定年前からセカンドステージの計画を立てておくことが喪失体験を克服することになります。